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2007年1月17日 (水)

阪神大震災12年と非常通信

そう今から12年前、夜学生だった私は大阪の下宿で徹夜で大学のレポートを書きながら、あの朝5:46を迎えました。 今まで経験したことの無い地震。。。 あわててつけたラジオはラジオ関西は電波停波状態(一発目で設備壊滅したらしい)、大阪のABC朝日放送はDJの最中に慌てふためいた女性アナウンサーの地震に対するコメント。。続けて大きな余震。。。

翌朝、TVの無かった僕は、友達の家に見舞いがてら、TVを見せてもらいに行った。

一面炎と煙のヘリコプターからの神戸の画像 今だ忘れない。。

以前、予備校生時代 神戸で新聞奨学生やってた私としては嫌な感じ。

当時の大学のクラブの友人も神戸に居た。

その後、大阪の友人と誘い合って、当時乗ってたバイクで崩れた阪神高速の脇と、死体の転がる歩道の脇、火炎に包まれた街を17kmを3時間も掛けて走りぬけ 友人の親戚探しとクラブの友人への水運び。

少し落ち着いた1週間目からは、JARLの募集に応じて非常通信のお手伝いとしてバイクと2mFMハンディー+自分の1日の水と食料を持ってボランティアに行った。。。

今でも、その時のJARLからの感謝状が押入れの奥にある。

色々な観点から、この震災は語られていますが、JARLの非常通信に参加したアマチュアとして一言。。

この震災で「アマチュア無線はほとんど役に立たなかった」。

雑誌等で語られている「武勇伝」は、一体どこを見て言っているのか良くわからない。

通信としては むしろ、道端で急遽露天を開いた 「携帯電話屋」と「バイクの伝令」「避難所の掲示板」の方が役に立ったのでは?と思っている。

この事については、私も「せっかく行ったのに思ったほど役に立てなかった・・・」と、結構後悔の念があるのです。。。

さて、この原因を私なりに考えてみると・・・・

元々、アマチュアの非常通信は山や海での突発的「遭難」で、個人や少数グループが孤立し事故を起こした場合の「救援要請の連絡」というパターンの活用しか誰も想定してなかったんではなかろうか?

阪神大震災のような大規模、広範囲であたり一面が被災者、被災地域の場合、どこの誰に救援要請するのだろう? そんなことは、出来るわけない。。VHFなどでは電波の飛ぶ範囲はそこら中、被災地域である。

ましては、中央官庁は震災後 対応が遅い遅いと言いながらも、事態を察知している。自衛隊などは自主的に偵察ヘリを飛ばしている。消防、警察も独自のネットワークで全国各地から、かき集めている。この時点で、「救援要請」の通信は必要ない。

震災でも、初日の救援のドタバタを過ぎると、避難所などの「支援」に全体の業務が移る。

さて、この中でアマチュア無線がなんの役に立つのだろう??私がボランティアに行ったのはこのタイミングだが、FMで「べらべら」となんだかしゃべっても、圧倒的に情報量は少ない。。支援業務には全然事足りない。

せいぜい、「サラダ油足りないから持ってきて~」と言う程度。。。(実際にあった)

実は、震災も避難所支援の通信には、意外に早く復旧した電話を使った 当時NIFTYの掲示板が大活躍している。また、その頃始まりだした、インターネットもちょっぴりではあるが活躍している。

なんで、こんなことになったか 「伝えられる情報量が圧倒的に違う」のである。

アマチュア無線はCW、電話とどちらかと言うと、伝送できる情報量が少ない。

避難所から発信され、区役所、市役所、支援ボランティア等に伝達される、「避難者名簿」、「物資関連情報」、「ライフラインの復活情報」、「避難者同士の伝言」、「地域の避難解除情報」、自衛隊などの外部支援情報など、圧倒的情報量の前には当時普及しだしたパソコンによる「情報のまとめ能力」、ファイルによる受け渡し(フロッピー持って走る場合もあったけど)の前には、ほとんど役に立たなかったとしか言い様が無い。

あの震災以降、非常通信訓練がアマチュアの間で行われる事が多くなった。

中には、地域の避難訓練に参加される事も多いらしい。。

コレ自体否定する気は 全く無いが。。

しかし、今後予想される大規模震災 たとえば東海大地震が起こったときに、彼らは誰に何を「伝送」するつもりなのだろう?「あそこで燃えてます」なんて事でも、同じようにひっくり返っているアマチュアとでもQSOするのだろうか??

JARLが電話が使えない事態での組織的に大量情報伝達の方策を計画したという話も聞かない。

その他の雑誌、新聞の記事にしても同じ。

これでは、以前の阪神大震災のときと同じ「なんか区役所に無線機を置いて陣取ってる奴ら居るけど、何してるんだ?」って事を繰り返すだけではなかろうか?

事実、新潟の地震の時にはJARLの非常通信の打診に対して自治体から断られたとか・・・アテにされてないのである。

目的外通信の非常通信ではあるが、今後、本気で被災地支援通信を考えるなら「何をどう伝えるか?」ここを計画しないと永遠に何の役にも立たないでしょう。

無線機いっぱい買って並べてるのでは、なんの役にも立たない。

せめて、アマチュア無線を使ったPCデータの転送システムを構築して、平時から伝送データのフォーマット、手順などを定めておけば、役に立つのだけど。。。

と、久しぶりにまじめなネタでした。。。

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コメント

こちらにも、お久です♪

災害時ではないけど、台風が過ぎ去った後、
アンテナをよく点検せず電波を出してしまい、
近所のテレビ視聴に迷惑をかけたことがあります。(汗)

もし震災でアンテナなどが壊れていたら?
無理して電波を出して、プロの通信へ妨害を与えてしまったら?

そう考えると、プロに任せたほうが良いのでは?
と、思っています。
運送業界でも「緑ナンバー車」があるように、
白ナンバーは大人しく!?(笑)
(自家用車の乗り入れはひかえる?)

個人の無線レベルでは、携帯電話に任せても良いかな?と思います。
某キャリアでは、24時間以内に仮設リピータを設置可能と聞きます。
通話容量さえ飽和しなければ、震災地でも十分通話は可能なレベルらしいです。

災害時には、敢えて停波する、
逆発想な対応もありかな?なんて思いました。

投稿: h530@栽培中(謎) | 2007年1月18日 (木) 10時48分

おひさです。
あのときはお世話になりました(^^;)

あのときに無線機に流れて来た内容はトラックの運ちゃんの通り抜け、迂回情報が多かったように思えます。

現状、災害に対しては無力なのは確かです。
アマチュア無線家誰もが思っていることだと思います。(現に熊本の災害ネットワークの人と直接話してそう思った)

携帯電話も実は有力そうで無力だったりします。仮設中継局の設置がどれくらいでできるかなんて阪神淡路時の待ちの状況から考えても難しいのでは?

住民が情報を収集する唯一の手段はラジオやテレビなどがほとんどだったんじゃないでしょうか。(地域FMの利用例なんかも紹介はありました)

しかしながら地震発生直後の活用はほとんど無い状態。全部救援活動が入ってから。

地震発生直後、情報伝達の素早さが必要であるが故、あらゆる通信手段が連携ができるように調整をしていくしか無いんでしょうね。
あくまでも理想ですが。

ちなみにこの前のNHKの特集でヘリコプターからの上空偵察の話をしてましたが、焼け野原では地図も理解できなかったって話がありました。

投稿: kawa | 2007年1月20日 (土) 09時23分

自分はまさに地元「関市」において非常通信をサポ-トする立場にあります。

SARN サーン(Seki Amateur Radio Network)
岐阜県関市周辺で大きな災害が発生したとき、災害対策本部の要請を受けて、アマチュア無線を使って災害情報の収集や緊急連絡などのボランティア活動をする団体です。
また「消防団」としても行動します。

430MHz 1200MZhのレピ-タ-が市役所屋上に設置してありますので、これらを使用して各所の状況報告が主な仕事です。

毎年の「夏の防災訓練」では実際に各所から連絡をして、レピ-タ-の死角の発見をかね「メリット交換」をします。
実際の災害にどれだけ貢献できるのか、疑問もあります。

ありがたいのは、報告先が即「対策本部」と言うことです。
しかしながら・・・せっかくの情報を活用するか、しないか「SARN」は口出しできません。
むなしい、気がします。

かと言って、CWの和文など到底出来ませんし、FM,SSBを使っても情報量は知れているでしょう。
パッケット通信も、速度が遅いようですし。

それに「阪神」「新潟」でも違法局等の嫌がらせがあったと聞きます。
また、ボランティアを断られたので代わりに「JCC移動サ-ビス」に変わったのもいるとか。

自分は「山岳会」にも席を置くものですが、10年ほど前雪山で遭難現場に遭遇しました。
この時自分は2m FMでサポ-トをしましたが(実際は他の局長がしました、自分はその局長をサポ-トしました)違法局等から「邪魔者扱い」また「嫌がらせ」を散々受けました。
人命がかかった大事な通信なのに「はらわたが煮えくり返る」と言うことを実感した瞬間でした。

いつもいつもこんな感じではないでしょうが、現在の日本人のモラルは残念ながら低いと思います。
ちゃんとした「ガイドライン」が必要だと感じます。

今のままでは「ただの電話ごっこの延長」に終わってしまいます。
しかし、災害時に頼りとなる通信技術を本当に身に付けようとすれば「アマチュア無線」のレベルでは難しいような気がします。
また、せっかく身に付けた技術も、年一回の訓練では到底維持できないでしょう。

この事を克服しない限り、自治体から「いりません」と言われ続けることになるでしょう。
限りある少ないバッテリ-(エネルギ-)確実に有効な分野に優先的に回したいのが自治体の本音?では?

「阪神」の生の声を、初めて聞かせて頂きました。
とても、参考になりました。


http://homepage3.nifty.com/ja2yvz/

上記に「SARN」の情報が載せてあります。

「SARN」のメンバ-でありながら、非常通信に疑問を持つバカでした。

投稿: JG2JKR ROY | 2007年1月20日 (土) 17時02分

>h530@栽培中(謎)さん
確かに、現状だと「白ナンバー」(笑)は大人しく路肩にカギつけて停めとけって!のが正解だと思います。申し出をしてひっくり返っている相手悩ましたり、「侘びを入れさせたり(神戸のJARLの場合)」するのもどうかと思いますよ。

>kawaさん
あの震災の時はどうもどうも(^^)災害時は重要な公共通信~個人の興味本位の通信まで一斉に出てきて、大混乱しちゃいますから優先順位をつけて、冷静に分類、整理した上で実施することが重要だと思いました。
そうじゃないと、ただ「大変だぁ~」の伝言ゲームになって行き着いた先では無視されちゃったりします。

>JG2JKR ROYさん
ホームページ見ました。大きなハムクラブですね。最近私、関市と縁あって往復しています。モラルの問題は確かに阪神大震災の時もありました。実際、無変調の妨害やってた人いましたね。ひどい話です。
消防団として動かれるのでしたら、結構効果はあるのではないでしょうか?
ただ、大規模災害時は極初期の救助救援活動援助よりも避難所開設以降の活動に軸足を持っていくと、非常に効果があると私は思っております。
なんせ、被害の情報収集は警察、消防、自衛隊、がそれぞれヘリを飛ばして、独自に広範囲な被害状況収集しますからね。あの阪神大震災の時も「遅い遅い」と言いながら、自衛隊が震災後5分でヘリと「斥侯」(?)を出していたそうです。
それよりも、大変なのはその後の「なが~い」避難生活ですからね。。。電話も何時復旧するかわかんないし。。

投稿: JE1BKC/濱 | 2007年1月21日 (日) 07時44分

まったく同感です。
私、宮城県人ですが、まったく同じことが発生しています。
これは、経験した者でないとわからない事実です。
ラグチュー程度の非常通信をして、ドヤ顔のハムも少なからずおります。

投稿: | 2011年4月27日 (水) 21時57分

やっぱそんなことになっちゃうんですよね。
こうやって、どんどん相手にされないアマチュア無線になってしまいます。

改善、前進という言葉にハムは無縁になってきましたね。

投稿: JE1BKC/濱 | 2011年4月30日 (土) 10時20分

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